村上春樹さんとの出会い

私が修行に出始めた頃、知人に
「お店をやりながら小説を書いている男がいる、君も参考になるのではないか」
画業とお店の経営を目指していた私にとっては大変興味深いお誘いでした

場所は千駄ヶ谷
紹介され、少ない言葉を交わしたのですが
なんとも頼りないぼんやりした印象で…
「こんなおとなしそうな人がやれるなら私に出来ない筈がない」
などと考え、意を決していたお馬鹿な若造を
村上さんどうかお許しください


お店の感想は、手造り感のあるジャズバーとでも申しましょうか
ジャズ喫茶の設備とレコードの量があり、お酒とおつまみ
食事が出来てとてもお洒落な雰囲気です
当時ジャズ喫茶はジャズ喫茶であり、その場所で大きな声で
談笑しながら食事とお酒が楽しめる
その後、カフェ・バーと言うのがずいぶん流行したのですが
その先駆的な存在であったのではと思います

氏はほどなく新人賞をとられ小説家デビュー、
その後のご活躍は皆さんご存知の通りだと思います

そして、私のお店もひっそりデビュー(笑)

村上さんは取材もかねて何度かお店を訪ねてくださり
まったくお客さんの来ないお店を心配して(笑)
「螢明舎のコーヒーはおいしい。」・・・などと
エッセイの中で取り上げたりしてくれました
(ビックリハウス1984年6月号)

村上さん、その節は大変ありがとうございました