二郎さんの思い出

八幡店を設立するにあたり
家具屋でサラリーマンをしていた弟を
谷津店の店長にしようと考えました

半ば強引なのは長男のなせる業…早速退社してもらい(笑)
友人のフレンチのお店に修行に出てもらいました

昔から病弱、無口で引っ込み思案
しかし心の純粋さは珈琲の味に表れ、業界仲間でも評判の美味しさでした
Img_7aa9a077827ba33e865e6d073757495e
Img_aee720dec102c4ca896dabd514cd3a10
Img_b63d2adbf5ab0674ec342ed40c29b326
そんなある日
普段けして泣き言を言わない強情者が
「兄貴、調子が悪いんだ、病院に行かせてくれ」
「おまえ、ふざけるな!年末の忙しい時になに考えてる!
2日我慢しろ!シフトを整えるから」
まったく鬼です……

弟は、三が日が明けて病院に歩いてゆきました
すると病院から呼び出しの電話です、入院であること、私に来院する事
着替えなど持参し、半信半疑で医者の元へ出かけました
「お兄さん、肺ガンです、余命は2週間」そう告げられました
見せられたレントゲンは真っ白で肺の痕跡がうっすらと…

「は?」

「兄貴、悪いなーシフト大変だろ・・・」

あっさり2週間で逝きました
看護師長さんから最後にこう告げられました
「立派でした、本人は大変な苦しみのはずなのに、
痛いの・い・もありませんでした」
「こんな患者さんは私の経験ですが、会ったことがない」

彼のアパートを片付けながら、そこを出るときの覚悟を悟りました
まったく整理されていたのです


小さいときから足手まといで、病弱で・・・
師長さんの一言は、人として、男として
超えられそうもない命題を授かった気持ちです

彼には沢山の常連さんがついていました
この場を借りて、深く御礼申し上げます
Img_96728387f260088e69bbc1e5b1a80641