フレンチスタイル?

その1

cafe螢明舎では
フランネル(布)を用いて珈琲を抽出します
一杯取りで5分程度、それ以上(3,5,10,20杯など)は10〜25分程度を要します
職人の育成など手間のかかるスタイルゆえ
原点であるヨーロッパでも殆どお目にかからなくなってしまいました

じつは、この「布」を用いての抽出を考案したのが16〜17世紀のフランス人であり
「フレンチスタイル」の語源なんです

イタリア料理がフランス料理へと体系つけられていった歴史と時を同じくし
それまでアラビアンスタイル(煮出して上澄みを飲む)であった濁った珈琲を
布で濾過することにより、澄んだ、コクの深い珈琲へと進化させました

当時、貴重品であった珈琲を嗜めるのは、王族や貴族、上流階級といった人々で
食事の最後に登場する珈琲にも完成度をも求めたに違いないのではと考えます

お抱えの職人(料理人?)達が主人や客を喜ばせる工夫として
考案されていったのではと推察しますが
珈琲の未来を予感させる画期的な発明だったのではないでしょうか

その2

修行時代は若輩ゆえ、開店当時は未熟ゆえ
あまりものを考えずに、勢いだけで働いてきたというのが正直なところです(笑)

この仕事にかかわっての年月を振り返り、改めて整理したというところが本音ですが
すっかり浦島太郎になっていたと言うのが現実のようです
「カフェ」という概念ですら「珈琲屋」ではないらしですね(笑)

さらに、フレンチスタイルのカフェと言えば
1990年前後頃よりパリの老舗ブラッセリー風を指すのが一般的と伺いました
原宿にあったオーバカナル、広尾のデ・プレ、渋谷のドゥーマゴなどは代表選手なのでしょうね

フレンチスタイルのカフェを標榜するcafe螢明舎の位置づけとなると
・・・「昭和テイストの喫茶店」・・・
と言った表現を頂戴します(笑)

さてと・・・本題です

〇 フレンチローストのオールド・ビーンズ(エイジング・ビーンズ)
〇 ネルのハンドドリップとデキャンタ
〇 磁器のデミタスサイズのコーヒーカップ
〇 加えてフランスの田舎風のインテリア

修行時代、最初に教えて頂いた「フレンチスタイルのカフェ」の条件です
特にオールド・ビーンズを扱うことが出来るかどうかは大変重要な付加価値であり
抽出の技術とあわせ「意識」を求められるものでした

また、オールド・ビーンズ(エイジング・ビーンズ)を安定的に供給するに必要な環境を用意する為
豆の選定、エイジング、焙煎といった工程は焙煎人が担当

直接お客様に楽しんで頂く場として
経営、環境造リ、抽出、サービスは店舗のオーナーが担当するというコンセプトでした

<相当量の珈琲豆をエイジングする期間、商品としての換金性はありません
したがって、手間と隙を惜しまず出来上がったエイジングビーンズの美味しさをお届けする為に
修行を通じ、コンセプトの共有と技術の伴った店舗経営者が求められました・・・>

現在でも、六本木のカファ・ブンナ、広尾、原宿のカフェ・アンセーニュ・ダングル
青山のレ・ジュ・グルニエ、乃木坂のカフェ・ド・ラペ、など、など・・・
名店としてその存在感を堅持しておられます

cafe螢明舎では、上記の条件を満たしながら、千葉の住宅街という難しいロケーションを背景に
エイジング・ビーンズ専門店として、オリジナルなエクステリアとインテリアをご用意させて頂き
さらには、焼き菓子類を加えることで「様式」を堅持しようと努力させて頂いております

と、まあ堅いお話とは成ってしまったのですが
珈琲一杯にこうゆう価値観があったのかとご理解頂ければ幸いです。