刻まれた白ワイン②

母親と息子が経営しているというリストランテを探し当て
遅めの昼食をこの日の目的としました

しかし、こんな寂れたところにお店なんてあるんだろうか・・・

発見!広場に面した古めかしい石造りの1階部分
いったい何世紀の建物なのか
けして美しくはないが堅牢な印象である

重そうなドアを開け足を踏み入れると
洞窟に入ったようなひんやりとした空気が
外の熱射から一線を引いてくれた

差し込む日差しだけが漆喰に反射している
薄暗く柔らかな雰囲気
夜にはローソクの灯火だけなのだろうか

中央には大きな暖炉があった(ここでグリルでもするのであろうか・・・)
何の飾り気もなく古めかしい空間だが
テーブルクロスが清潔感を演出してくれ、とても心地よい

やさしい微笑の老ギャルソンのお出迎、席へと案内してくれた
他にスタッフは見当たらないが、厨房辺りに小さな老婆が白い前掛けをして微笑んでいらっしゃる

「え!?」もしやこのお二人が母親と息子なの・・・
80歳は過ぎていよう母、息子だっておそらく60代でではなかろうか

へ~
ヨーロッパの「営み」
石の暮らしってこうゆう事なんだな~

なんだか感慨深かった。

さて、件の老ギャルソンが分厚いメニューとワインリストを運んできてくれた
ゆったりとした接客振りは深い経験と人柄をを感じさせ
旅の緊張を解き放ち、懐で休ませて頂くような安心感を醸し出している

イタリア語はガイドブックレベル、英語だって3歳児の私である
アメリカでは小馬鹿にされ危険極まりないが
ヨーロッパでは困ったことがほとんど無い、まったく迷惑な旅行者である

書いてあることはなんだかよく解らないので総てお任せすることにした(笑)
こんな上等な居心地に、身を委ねるのは何の躊躇もいらない

彼も総てを察してくれたのか、ウインクをして去っていった。

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