美味しいコーヒーくださいな。

「申し訳ありません、今日はカウンターしかご案内できません」
「あらいいのよ」
ほんとうに可愛いらしいご老人である

「ねぇ、あなた、お菓子を一口戴いてから珈琲なのかしら?」
「それとも珈琲を戴いてからお菓子なのかしら?」
ころころとお美しい日本語、聞き惚れてしまいます

「いえいえどうぞお好きなような順番でどうぞ」
「そうお・・・」
ご不満そうなお返事に、気の利いた一言をお届けできなかった事を恥じる

「ねぇあなた」・・・うむむ、カウンターも満席、忙しいのである・・・
「わたくし90歳を過ぎているようにみえる?」
悪戯っぽく、上目使いな表情に思わず仕事の手が止まってしまった

「え!!!とてもおみうけできません!!」
ほんとうである
それどころか、お洒落な佇まい、柔らかな微笑みははとても素敵な女性である

「あら!」
大きな微笑と快活な調子で仰った
「じゃあぁ、あなたにお駄賃をあげるわ」

私は真っ白なお手元から100円を頂戴した
「ありがとうございます!!」
「じゃぁまたね」

後姿に花びらが舞っているようであった

宝物の100円を頂戴した。

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